東京大学のチームが人間のiPS細胞から止血成分である血小板を作り出し、マウスの体内で出血を抑えることに世界で初めて成功した事が明らかになった。
作製した血小板にはがん化の心配がなく、大量生産できれば難病治療などに役立つと期待されると言う。
同チームのの江藤浩之特任准教授、高山直也研究員らは、ヒトの皮膚細胞に4種類の遺伝子を導入することでiPS細胞を作り、血小板に変化させたのだという。
そうして作成した血小板を毛細血管を傷つけたマウスに注射すると、血小板は傷口に付着して穴をふさいだという。
現在の輸血用の血小板は保存期間が4日と短く、血液型が一致しても拒絶反応が起きることがあるが、iPS細胞なら患者本人や、適合性が高い人の細胞から作って凍結保存できるというメリットもある。